前回の「半沢直樹」いよいよ政界との戦いとなって来ました。どの業界でも外側との深い黒い関係というのは存在するのであります。
外資系も、ある意味小説にするに値する「商社」との深い癒着が存在します。
外資系が日本に参入する場合、ほとんどのケースが大手商社と手を結び、資本と日本ビジネスのノウハウの提供を受けます。
私は長年、外資系の会社で生きて来たわけですが
日本の商社と本国との結びつきを間近に見続けて来ました。
歴史が浅い外資系企業ほど、商社の資本提供を受けたり、多くの人材を受け入れています。
日本の商習慣は本当に特殊で、日本国内のビジネスを始めるためには商社の助けなしには立ち行かない、それは事実だと思います。
日本は法的面でも海外の企業にとり、時として高いハードルになります。
大手商社は政府とのパイプもあり、上手くサポートしていくわけです。
その見返りに、人材を送り込みビジネスを立ち上げていきます。
商社でのキャリアパスにもいくつかのパターンがあるようで
- 商社内で上に上がっていく人
- 時期を見て自分でビジネスを立ち上げる人
- 新規事業や外資系企業を立ち上げ、そのまま転籍し社長になる人
外資系では最後のグループに属する人が、高額の待遇で迎えられポジションを約束され、本国から来た外国人たちとビジネスを展開していきます。
その下で働くのが私のような外資系「働きバチ」です。
ひと昔前以上、随分と前ですが、アメリカのブランド企業を受けて、「内定を出すがもう一人会って欲しい」と言われて会ったのが、その企業を立ち上げたメンバーの一人、某商社の方と会うことになりました。
合否を左右するものでは無く、大事なメンバーなので事前に会って欲しいという説明でした。
その会社は商社が1%多く資本を有していましたが、これから本国100%の資本にシフトしていくために、人材を集めている、商社から来ている人は引き上げていくと。
通された部屋にいたのはまだ20代と思われる男性で、威圧的にいかに自分が優秀でこの会社の立ち上げに貢献したかを、捲し立てるように喋り、私のことにはさほど売れずに時間が過ぎていきました。
その会社を出た途端に、エージェントに電話して
「内定が本当に出るか(この面談があまりに酷かったので)わからないが、私からお断りしたい」そう伝えました。
このエージェントから何人か入社しているらしく、この方の評判はエージェント側もわかっているようでした。いずれは居なくなるひとですから...エージェントはそう言ってくれましたが、あの若い商社マンにビクビクして働いている様子が目に浮かび、ここは私の場所じゃないだろう、そう感じたわけです。
これには後日談があり、5、6年経っていたでしょうか?
別の外資系に勤めていた私でしたが、この会社が取引先となり打ち合わせ等々に出かけることになりました。
オフィスこそ同じでしたが、メンバーは本国から派遣されたアメリカ人、そしてプロパー社員となっていました。
資本もすでに100%本国になっていたようです。
日本のこんな商社の活動というのは、日本独特なような気がしますが
どうなんでしょうね?
私が実際に経験して来た外資系企業と商社の癒着(比喩的に、立場が違うのに利害を共通にする両者が、ぴったり結びつき合うという意味)は想像を絶することも多々あります。
どの世界にも触れてはいけない、そんな部分があるのです。
でも必要とする人間がいるから成り立つ関係なのでしょう。
先日、世界的に有名な投資家が日本の商社大手に投資を行い、今後もその額を増やしていく、そんなニュースが出ていました。
果たしてその投資家の本当の思惑は...?