「半沢直樹」はご存知の通り日系の都市銀行が舞台であり、原作の作者池井戸潤さんは当時の三菱銀行のご出身です。
外資系の数社に勤めて、ウン10年。
早期退職し、長年やっていた会社員を辞めた私が長年思っているのですが
池井戸さんに、ぜひ外資系を舞台にこのエグさを描いて欲しい!
アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスと外資系数社に勤めた私ですが(金融系でなし)、外資系のエグさはまた「半沢」と違うものがあります。
人材の循環
外資系の世界は狭く、同じ人達が業界内で回っている感があります。
例えばアパレル。
例えばアメリカ企業。
そう言う括りで人が動いています。
私もアメリカ系の企業で働いていた時の同僚と
ドイツの会社やフランスの会社で再会しました。
人はほぼ3−5年で入れ替わります。
もちろん10年以上勤続している人もいますが。
(どこにでも例外というのはありますから)
固執するは会社ではなく自分のポジション
「半沢」との大きな違いの一つに、外資系の人間は会社に依存する気持ちが薄いということがあります。
ある程度のポジションになると、定期的にCV(Curriculum Vitaeの略。外資系では履歴書のことをこのように呼ぶ)を更新し、ハンティング会社に送るという人は珍しくありません。
とある外資系日本法人に勤めていた時、とある事件が起こりました。
日本人社長を失脚させるクーデターが起こり私は蚊帳の外だったので、勃発時には流石に驚きました。
この方は定期的にハンティング会社と情報交換されていたようで、スムーズに別の同業他社大手の取締役へ着任されました。
会社はとても小さな日本法人だったので、色々と推測するとほぼ横滑りかな、とその時思ったのを覚えています。
この方は実行されませんでしたが、上層部が他社へ動く時に気に入った部下達を連れて行く方も多いです。
ひどいと「部」ごとごっそり抜かれる場合もあります。
それも競合他社へ。
アメリカの会社もヨーロッパの会社も
外資系の場合、数年で上層部が入れ替わるので
(本国から派遣の外国人が数年で帰るので、その入れ替えもある)
その場合、ほぼ出るくいは抜かれます。
一掃に近いこともありますが、そうなると自分に跳ね返ってくるものが大きすぎると思うのか大体当たり障りのない人物を、「保険」に1、2名残すことが多いです。
仕事が出来る、出来ないは全く関係ありません。
自分にひれ伏すタイプか、否か、でほぼ決められます。
これもいつか詳しくその体験を書き残したいと考えていますが
私のような女性管理職は、ターゲットになりやすいです。
外資系と言ってもザ・日本人のおじさん、は多いので
単純に女性管理職が嫌いだと、バッサリいかれます。
じゃあ女性の上級管理職だと同性同士優遇されるか?というと
必ずしもそうではありません。
日本人の女性の場合、しかも私より年上の場合だと
私よりさらに苦労してその地位に上り詰めています。
お姫様気質が強いキャラだと、自分以外の女性にスポットが当たるの事を許せずに
同性の管理職をこれまたバッサリ行くケースがあります。
リアルな世界は「小説より奇なり」。
壮大な野望を抱いて外資系会社員をやっていたわけではありませんし
「絶対男性に負けたくない」と思っていたわけでもありません。
「男性と同等でいたい」と思っていただけです。
通称「男女均等雇用法」以前の世代です。
大学では同じ授業料を払い、単位を取得して卒業したので、いつもそう思っていました。
それも私の世代だと、まだまだ難しい事であったのは事実です。
外資系といえども。
日本の外資系法人は「日本企業の悪いところと、外国企業の悪いところの寄せ集め」とよく言われます。
まぁ当たらずとも遠からず、です。