私と同じ世代の方には
保証人なし、敷金礼金なしというURは個々の状況によっては
大変魅力的な住居だと思います。会社員を卒業すると、東京に住む必要もないし
高い家賃は無駄に感じてしまいます。
やっとこの話を落ち着いて
振り返ることが出来るようになりました。
URだけの事だけではないし
賃貸だけに起こることだけでも無い、隣人問題。
東京でもずっと賃貸で
隣人問題は最後にちょっと経験したぐらいでしたが
（ベランダでタバコの灰を落とされる、週末に時々遅くまでパーティを開かれる等）
外国人の方だったし
ほとんど家にいなかったので（だからこそ静かに過ごしたい、という思いはありましたけど）
まぁ許容範囲かな、と思っていました。
ただ退去するときに、不動産屋さんには報告しておきましたけど。
それはUR生活が２年になろうかという時期でした。
私は最上階に住んでいるので
上の騒音というのはありません。
が。
昭和のURはとにかく壁や床が薄いので
壁に面した隣人の音や
お向いさんの音はよく聞こえます。
初めは気になりましたが、そのうち慣れてしまいました。
引っ越してきた当初は
階下は少し耳が遠いお年寄りが一人でお住まいのようでした。
挨拶に行った時に
ちょっと会話が噛み合わなかったし
ヘルパーさんが定期的に訪問される時に
聞こえずらいのを考慮してか、ものすごく大きな声で呼びかけたり
ドアをドンドン、と叩き続けることがよくありました。
それからしばらくして引っ越されたようで
かなり長きに渡り、リフォームされていました。
（おそらく部屋は昭和時代からのオリジナルだったんだと思う）
リフォームしたては
すぐに部屋が埋まるんですね。
新しい方が入居され、挨拶に見えました。
私と同じぐらいの世代で、どうやら男性一人暮らしのよう。
それから私の苦悩が始まりました。
数週間経ったある日、その方が訪ねて見えて
インターフォン越しに
「足音がうるさい」と、とても怖い顔をしてクレームを言われました。
心当たりがありませんでしたが
とりあえず「申し訳ありません」と謝った私。
それから何度か
私が外出から戻る足音やドアの開閉音を聞くや否や
「生活音がうるさい」と再び鬼の形相で怒鳴り込まれました。
４度目の時には怖くなり（朝、８時前だった）
とうとう居留守を使いました。
この間、１年間ほどあり
私は帰宅時を悟られないように
とにかく音を立てずに階段を上り下り、ドアの開閉を行い
家にいるのも憂鬱、外出するのも帰宅するもの憂鬱、そんな１年間で
「いつ何時何をされるのか分からない」恐怖で
とうとう管理事務所に相談をしたのでした。
最悪のことが起こる前に
こういう事実があるということを誰かに認識して欲しかった、ということです。
管理事務所には本人には決して伝えないでくださいと念押しは
もちろんです。
ただ報告したところで、解決するわけではありませんから
隠れるように暮らしていたのは
変わりませんでした。
が。
突然。
その方が引越しをされたのでした。
引っ越しされて、すでに数ヶ月経ちます。
おかげで私は普通の生活に戻ることができ
本当にホッとしています。
URの良いところ、そうではないところ
多々あります。
私の住む昭和のURは新築当初からの住人の方も多く
つまり高齢者の方が締める割合も高いです（含む私）
住人同士の行き来は（私の場合）全くありません。
私的にはこんなドライな状況は大変ありがたいです。
ここが私の終のすみかになるかはわかりませんが
若い時のように引っ越す体力も財力も無いので
長く住むことになるのかな、とは思っています。
まだまだ先は長いのです。
先の隣人の方が
今は穏やかに暮らされていることを陰ながらお祈りする次第です。
