「優秀な社員を低賃金で70歳まで飼い殺す、再雇用年齢引き上げの大問題」と言うネット記事を読みました。
早期退職した私ですが、正直何もなければ早期退職などしない、と言うのが本当のところです。会社とは社員のことを考えているフリはしてくれますが、決して期待はしては行けないと言う教訓を得て早期退職を選択しました。
このタイミングで議論なしに規制強化が?
マスコミの報道がコロナ対策一色となるなかで、ほとんど議論もなしに、2021年度からの労働市場の規制強化が、またひとつ追加された。
こんな記事を見つけました。
現時点で65歳まで継続雇用することが、企業の義務になっています。
これが2021年に70歳に引き上げられる事がこのタイミングで3月下旬に採決されたことを紹介した記事です。
私がいた会社でも、次々と継続雇用が行われていました。
実は義務と言っても、私のように早期退職する人間がいたり、継続雇用を固辞する人もいます(固辞するように仕向けられる人も、実際います)
外資系に長年勤めていたとはいえ(あくまで私が勤めていた会社)、結局はほぼ年功序列、しかも男性が管理職や役員を占め60歳すぎても、同じ役職と年収を維持していました。
唯一変わるのが雇用形態で、一応一年契約の契約社員となりますが基本は何も変わりません。
これが70歳に引き上げられると、一体どうなるのでしょうか?
数10%の年収減で「補佐」「アドバイザー」といったよくわからない肩書きで、ポジションが与えられ、あるような無いような仕事を与えられた状態での継続雇用者、一部の管理職ですが、もいました。
破綻しているように見える理論
私は人事のスペシャリストでは無いので、返って言いたい事が言えます。ので、言いまくりたいと思います。
矛盾その1
外資系でありながら、基本、給与はその人に紐づいていて、仕事やポジションが変わっても給料が下がったりすることはありません。
本来はその仕事や職責に給与や待遇が紐づくべきだと思いますがね。
この70歳引き上げ政策の中で、いきなり該当者達を閑職に回して給料を下げる、と言う事が双方合意のもと可能なのかな?と。
矛盾その2
その方が優秀であれば、力量を発揮しているのは現在のポジションでの事でしょうから、それを格下げする=給与を下げる事で本当に意味があるのかな?と思います。
いくらプレーイングマネージャーでも、新入社員と同じ仕事をさせてその意味があるのか、会社のためになるのか?と言う点は議論されているのでしょうか?
矛盾その3
これは若手がよく言っていました。
そんなにオジ捨て山のように継続雇用ばかりされて、自分たちの給料が上がらないじゃ無いか!
おっしゃる通りです。
完全な解決方法はない?
私が北米に留学をしていた時、同級生に孫がいる人や学び直しをしている人が何人もいました。既に年齢の差別をしては行けない、と言う環境が企業には整っていました。
22歳の新卒でも、50歳の新卒でも条件は同じなわけです。
逆に社会人経験がある50歳は、新卒よりその点優っているとさえ言えます。年齢は給与に対してマイナスにはなりませんが、プラスにもなりません。
30年以上も前の留学経験ですが、その時、定年退職を撤廃すべきと言う議論をクラスでした覚えがあります。それに対して日本の状況はこうでした。
- 新卒で一斉に入社
- 定年まで同じ会社に勤める
- 給与は年齢給がベース、諸手当が多い
始まりが違うのに、今更日本で辻褄を合わせようとしたところに歪みが出てくるのは当たり前のことです。
さて、ここでアラ還の私の率直な感想です。
これでやや当てにしている年金の受給年齢がさらに繰り下がることになるとしたら....
心待ちにしていた物を手に入れるために、長蛇の列に雨の日も風の日も並び、やっと自分の順番が来たと思ったら、二人前で売り切れた、そんな感じです。
若き君たちへ
私が20歳の私に言葉をかける事ができるとしたら、こう言いたいです。
「会社員と言うのは選択肢の一つにすぎない」
亡くなった父は、私が小学校に入る前に独立して小さな会社を経営していました。
だから逆に絶対会社員になろう!と子供の頃から思っていたのが...間違えだった?